○米国「量的緩和政策」QE2の意味することとは?○

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■2011年05月04日 ○ 米国「量的緩和政策」QE2の意味することとは? ○

☆ 目 次 ☆


1.最新金融情報トピックス ~「知恵の木」流、日経ヴェリタス徹底解読~
○ 米国「量的緩和政策」QE2の意味することとは? ○

2.一緒に学ぼう、プラチナ時代のこと ~アラフォーの輝ける未来のために~
○ プラチナ時代に備える資産作り~投資信託を分析してみよう~(3)○

3.ちょっと気になる話 ~ライフとマネーのQ&Aから~
○ 住宅ローンが厳しいです ○

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1.「知恵の木」流、日経ヴェリタス最新金融情報徹底解読
● 米国「量的緩和政策」QE2の意味することとは? ●
-2011年5月1日・日経ヴェリタスp1より伊藤誠の特選記事- 

今米国の量的緩和政策が世界で注目されています。
新聞やニュースでも耳にされることがあると思いますが、
「量的緩和政策」とはいったいどんな政策なのでしょうか。

百科事典 Wikipediaの説明は:
『日本の場合日本銀行、米国の場合FRBが銀行等の金融機関から
国債や手形を買うことで資金を供給し、市中に出回る資金の量が増えて、
金利が低下し、金融緩和となる。』

銀行等の金融機関から国債や手形をFRBが買うと、銀行にお金が増えます。
銀行にお金が増えると、銀行はそのお金を投資や貸付に回します。
投資や貸付により世の中に出回るお金の量が増えますね。
身近に言うとお金が銀行預金にあるか、財布に入っているか、
どちらかであるという事です。

銀行預金にお金が入っていれば、あなたはそのお金を使えませんが
財布に入っていればそのお金を使おうとしますよね。
今回米国の行った事は、銀行に入っているお金(国の預金)を
異常なほど大量に財布(市場)へ流し込むことを行いました。
なぜ、市場に大量のお金が出回ると、金利が低下するのでしょうか。
それは需要と供給の論理です。

需要が供給を上回れば物の値段は上がりますね。
1つの物に対し買いたい人が3人いる状況です。
一番高い値段で買う人の値段になりますね。
(売り手市場)オークション状態

供給が需要を上回れば物の値段は下がりますね。
3つの物に対し買いたい人が1人いる状況です。
一番安い物がその値段になりますね。
(買い手市場)安売り合戦

お金を借りたい人が1人いたとします。
市場に大量のお金が出回ると、貸したい人が増えますね。
よって安売り合戦になり金利が下がります。
お金を借りたい人は一番金利を低くしてくれた人からお金を借ります。

「量的緩和政策でドル安、株高が進んだ」と書いてあります。
これは言い換えると
「量的緩和政策で金利が下がり、ドル安、株高が進んだ」
ということです。

USドルの金利が低くなったのでUSドルの人気がなくなりドル安になった。
金利が低いので預金する気になれないがお金は大量にあるので、
株に投資してみよう。

ここまでは、FRBの筋書き通りに事が運びました。
この後はどうすると思われますか。

大量にお金が出回る副作用として物の値段が上がり始めました。
物価上昇、インフレ懸念です。

FRBとしては急激な物価上昇は困ります。
しかし、株価は上がってほしいし、失業者も減らしたい。

そこで少しずつ大量に出回っているお金を引き上げるタイミングを計っています。
その第1弾が、6月末に予定通り量的緩和政策を終了させる
というメッセージです。

シナリオ的には(ヴェリタス誌によると):
量的緩和政策を終了
→償還元本の再投資停止
→政策金利引き上げ
→保有資産を段階的に売却 

ここでの説明は省きますが、簡単に言うと
異常大量に出回らせたお金を少しずつ回収し、
インフレを起こさず、株価が上がり景気が良くなり失業率が下がる。
これが米国FRB最高のシナリオです。

あなたはこの米国FRB最高のシナリオ事が運ぶと思いますか。
もしこのようにうまく事が運ぶと円安になると予想できますね。
理由は円の金利は多分低いままであることと、
米国がうまく機能すればリスク回避の必要は下がるからです。

もしこのようにうまく事が運ぶと金は安くなると予想できますね。
理由は現在リスク回避と資金余剰で金が買われているからです。

私個人的には米国を信用・応援しているので
このシナリオで利益が上がる投資行動を取りたいと考えています。
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2.一緒に学ぼう、プラチナ時代のこと ~アラフォーの輝ける未来のために~
○プラチナ時代に備える資産作り~投資信託を分析してみよう(3)~○

3週目になります。
今人気の「投資信託米国ハイ・イールド債 レアルコース」説明の続きです。
前回専門用語の勉強をしましたので、
今週は専門用語を使わせてもらいお話をします。

<例>
10,000円で米国ハイ・イールド レアルコース投資信託を1年前に買い、
毎月170円分配金を12ケ月間もらった場合(2,040円)、
1年間の配当利回りは
170円×12か月÷10,000円=20.4%

こんな夢のような利息(配当)はおかしくないのでしょうか。
だましではないでしょうか。

米国のハイ・イールド債とは、格付けBB格相当以下が発行する社債のことです。
それでは格付けBB格相当以下の会社が市場からお金を借りるときには
いくら位の金利を払うのでしょうか。

例えば、今話題のギリシャの格付けはBBです。アイルランドはBBBです。
ギリシャの国債の金利は現在約16%。アイルランドは約10%。
日本の消費者金融アコムの金利は7.7%~18%

格付けBB格相当以下の会社にお金を貸す(社債)とは
金利10%以上で普通ということです。
日本の超低金利に慣れてしまっているので違和感があるかもしれませんが、
日本の超低金利が異常なのです。

お隣中国の政策金利は6.31%
インドは6.75% 
日本も1980年は政策金利9%でした。
(日本で定期預金7%もほんとうにありました)

次にレアルコースとは
米ドルでお金を借りてブラジルレアルに預金をすると考えてください。
米ドル政策金利0%~0.25%
ブラジルレアル政策金利10.25%

アメリカでお金を100万円借りて1年間の利息が0.25%の場合
2500円を払います。
ブラジルに100万円を預金して利息が10.25%の場合
102,500円をもらいます。

以上2つのことを組み合わせると、配当で20%支払ってもおかしくないですね。
これが米国ハイ・イールド レアルコース投資の配当が出せる理由です。

もちろん良い話だけではありません。次にリスクについて考えてみたいと思います。
10,000円で買った投資信託が7,000円になってしまえば、
いくら配当をもらっても損をしてしまいます。

逆に13,000円になれば、配当ももらいさらに基準価格も値上がりと
いいことだらけです。

それでは、基準価格が下がるケースを想定してみましょう。
簡単に言うと、この投資信託を買いたい人より売りたい人が多くなれば
基準価格は下がります。

どのようなケースでしょうか。

A.米ドルに対しさらに円高となる場合
B.ブラジルと米国の政策金利差が縮まる場合
C.投資したアメリカの会社が次々と倒産してしまい、貸したお金がもどらない場合

これらは、基準価格が下がるケースです。
逆が起これば更に基準価格が上がるか、又は配当の金額が増えるでしょう。

A.米ドルに対しさらに円高となる場合
今後1ドル現在81円近辺ですが70円・60円と円高になっていく場合

B.ブラジルと米国の政策金利差が縮まる場合
今後米国の金利が上がり、ブラジルの金利は下がる場合

C.投資したアメリカの会社が次々と倒産してしまい、貸したお金がもどらない場合
アメリカのベンチャー企業が今後倒産するか繁栄するか

上記がこの投資信託に投資をする判断基準となります。
正解は誰にもわかりません。自分で予想するしかありません。

私の予想ですが、
A.について、70円・60円と円高になるとは思えません。
B.について、米国は今後金利を上げていくと思います。
C.について、不景気・低金利時のベンチャー企業は、好景気・高金利時の
ベンチャー企業よりも強いと考えています。

米国が金利を上げ、ブラジルが金利を下げたら売り時と考えます。
いずれにせよ、ハイリスク・ハイリターンの商品であることは間違いないので
買ってから、売るタイミングが重要だと思います。

話は変わりますが、
今の日本における投資環境は昔と大きく異なり、
世界のあらゆる商品に投資ができる環境が整ってきました。

日本の株式市場をみても、外国人が60%以上の売買シェアをしめています。 
外国人は世界を相手に投資をしているのです。

日本も個別株のトヨタやソニーしか売買できなかった過去の環境とは
まったく異なります。
世界でどこの金利が高いか低いか、どこの国が今後発展していくか、
日本人も投資を世界レベルで考えるべき時代が来ています。

知恵の木では世界レベルの投資についてご一緒に勉強する機会を
企画する予定です。ご興味のある方は是非ご参加ください。
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3.ちょっと気になる話 ~ライフとマネーのQ&Aから~
● 住宅ローンが厳しいです ●
 
■【 土地に関するご相談 】

4年前に実家を建て替えました。

 土地: 祖母(50%)、実母(50%)
 建物: 私(100%)
 住宅ローン: 3200万円(建物のみ)
 ローン残高: 3000万円
 金利: 3.5%(中央三井信託)

月の支払が13万円あり、生活が厳しいため、
同居の母、妹に支払い補助の相談をしたところ、
私が勝手に建て替えたので、払いたくないとの回答がありました。
また、金利が高く、借り換えにて支払減額を目指しましたが、
祖母が亡くなり、その際に失踪中の子供(母の兄)の存在が判明し、
登記簿を変更できなくなり、
銀行からも借り換えを拒否されました。
住宅ローンの連帯保証人(担保)に土地があるため、
建物+土地を没収されてもよいので、
住宅ローンの支払を放棄したいとまで考えています。
何かよい円満解決ができないか、
このようなトラブルを対応したことのある
ファイナンシャル・プランナーがいらっしゃいましたら、
お教えください

■【 CFP伊藤からのコメント 】

こんにちは、『FP知恵の木』伊藤です。
ご相談をお寄せいただきありがとうございます!

建物+土地を没収されたら、ご自分と同居されている母、妹の住むところを
別に探さなければなりませんね。
その家賃が13万円以上であれば、今の住居に住むほうが得策です。

そこで、中央三井信託に相談して返済期間を延ばしてもらうことにより、
毎月の返済額は軽減されます。

祖母の土地名義について、母名義にする手段を司法書士または弁護士に
相談しましょう。

土地が100%母名義になれば、借り換えも実行できます。
土地が100%母名義になれば、リバースモーゲージを利用できる
可能性があります。

いずれにせよ「建物+土地を没収されてもよい」という考え方は
お勧めできません。

またのご相談やご感想、お待ちしております。
ありがとうございました!

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